取手の小3女児不明15年 経香ちゃん無事で 教員や同級生「信じる」
茨城新聞 20170518
「無事でいて、という思いは当時から変わらない」。経香ちゃんの担任教諭だった女性は語る。いつ学校に戻ってきてもいいように、使っていた机などを残していた。
行方が分からなくなって15年。女性は「経香ちゃんも24歳。社会人になって、働くような年齢になったんだとしみじみ感じる」と話す。
経香ちゃんは2002年5月19日午前10時ごろ、母親の大川アナベルさんに「友達のところへ遊びに行く」と言って自宅を出た。同日午後6時ごろ、近くの公園で友達と遊んでいるところを目撃されたのを最後に姿が見えなくなり、アナベルさんが捜索願を出した。
取手署によると、05年5月までに延べ8050人の捜査員を投入。市や消防団と連携し、自宅周辺や利根川河川敷を捜索するとともに、情報提供を求めるチラシを配布した。同署に寄せられた目撃情報は全部で5件。いずれも「似た子を見た」という内容で、全て別人だった。05年5月を最後に情報は途絶えた。
今年3月、利根川を挟んだ我孫子市で、ベトナム国籍の小3女児の遺体が見つかる殺人・死体遺棄事件が発生した。女児が通っていた小学校がある松戸市の男が逮捕され、地域住民に大きな衝撃が広がった。
経香ちゃんが行方不明となった当時の取手小校長、倉持潔さん(73)は「遠足で彼女がお箸を忘れ、渡してあげたら、作文で『先生ありがとう。楽しい遠足になりました』と書いてあった。しっかりした小学生。無事に暮らしていてくれればいい」と願う。
04〜06年当時の校長、小松崎幸江さん(70)も「みんなで捜索したが、手掛かりは出なかった。事件などに巻き込まれず、どこかで元気にいることを信じている」と話す。
取手市役所1階ロビーには「経香ちゃん発見にご協力を」と情報提供を求めるチラシが現在も張られている。同級生の男性(24)は、バレンタインデーに経香ちゃんからチョコレートをもらった思い出を大切にしており、「無事でいてほしい」と力を込める。
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経香ちゃん不明に関する情報は、取手署(電)0297(77)0110。