取手・イオン跡地に複合商業施設

茨城新聞 20171018

取手・イオン跡地に複合商業施設 住民、待望の出店

2015年に閉店した取手市戸頭の商業施設「イオン取手店」跡地に、複合商業施設が開業することが17日までに分かった。不動産賃貸業などを展開する神栖市の青野産業(青野洋和社長)が土地建物を取得し、開発に乗り出した。開店は18年末ごろの見通し。近隣は住宅街が広がっており、商業施設の出店を待ち望む声が多かった。

同社によると、約3万3千平方メートルの敷地に、食品スーパーやドラッグストア、雑貨店など数店舗をオープンさせる。いずれも平屋建て。県道と市道が交わり、交通量が多いことから、平面駐車場を従来よりも広く設ける方針。

同社は8月、土地建物を所有するシンガポールの投資ファンドと売買契約を締結した。既に店舗の解体工事を始め、来年春に完了する見通し。許認可を得た上で、店舗の建設を進める。同社は本県を含む1都4県で、約52万平方メートルの用地を取得し、来年以降、商業施設に特化した開発事業を順次進める。

取手の複合商業施設について、具体的な出店企業は明らかにしていないが、青野社長は「数店が出店する。グランドオープンは18年12月ごろ」と示す。

イオン取手店は、1996年10月に「ジャスコ取手店」として開業。食料品や衣料品などがそろい、地域住民が利用してきた。その後、周辺に大型商業施設や食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどが相次いで進出すると、売り上げがピーク時の5割以下に落ち込むなど低迷し、2015年9月に閉店、19年の営業に幕を下ろした。

同店跡地は、本県と千葉県をつなぐ新大利根橋や常総ふれあい道路に隣接。近くの取手市戸頭地区、守谷市美園地区には住宅街が広がる一方、住民の高齢化も進んでおり、同店閉店後は商業施設の出店を待ち望む声が多かった。

取手市の藤井信吾市長は「交通弱者や高齢者にとって近隣の商業施設は重要。安定して続いていってほしい」と期待感を示した。青野社長は「地域住民の不便を解消し、暮らしに役立ちたい」と話している。

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