毎日新聞 20200518
新型コロナ 子どもら、詩と音楽で元気に 取手の声楽家・岡本さんが「心の授業」動画配信
毎日新聞2020年5月18日
朗読したり、一緒に歌ったり
取手市の声楽家、岡本静子さん(72)が歌唱と詩の朗読を収めた動画「心の授業」(約40分)を動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信している。新型コロナウイルス対応で自宅待機が続く児童・生徒に向けたもの。在宅の小学生と一緒に歌う場面もあり、感受性や思いやりの気持ちを育む内容となっている。
岡本さんは2009年から、童謡詩人の金子みすゞの詩を題材にした出前授業「心の授業」を県内各地の小中学校で展開してきた。
今年は3月から2カ月以上も休校が続くため、「子どもたちを詩と音楽で元気づけたい」と考えた。10年以上の授業経験を基に、画面を通して子供に話しかけるスタイルのネット授業を発案した。
撮影は4月末、取手市教育委員会が協力し、取手小学校の音楽室で実施した。市内のピアニスト、田村愛さんが伴奏。窓の外ではハナミズキが咲き、室内に穏やかな日差しが差し込んでいた。
撮影した演奏・歌唱は5曲。このうち金子みすゞの詩による2曲は、詩の朗読もした。「詩をよく読むと、書いた人がどんなことを伝えたいのか分かってくる」と岡本さんは言う。
例えば、金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」は「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。」で終わる。岡本さんはカメラに向かって「みんな違って、みんないいってどういうことだろう?」と問いかけた。
考える時間をおき、過去の出前授業を受けた児童の感想文を読み上げた。「自分に自信を持って生きていけばいい」「人には必ず、一つはいい所がある」――。受け止め方はさまざまだ。
岡本さんは「心で感じて歌えば、心の栄養になる。心でたくさん感じ、すてきな大人になってください」と強調した。
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