毎日新聞 20201006
議会のオンライン化で先進的な取り組みを進めている取手市議会は、議場内の議員をゼロにした模擬本会議を初めて開催した。同市議会は現在制度上不可能なオンラインによる本会議の開催実現を求めており、具体的課題などを明らかにするのが目的。
市議会は既に新型コロナ問題を協議する「対策会議」などでオンラインを活用。9月には市議会委員会条例などを改正して災害発生時などに限り委員会へのオンライン出席を認めている。
ただ本会議については地方自治法上認められず、市議会は今年7月改正を求める意見書を国に提出。本会議開催実現を目指し、早稲田大などと連携してシステムや法律上の課題の解決を図る共同研究を開始している。
10月2日に開かれた模擬本会議は共同研究の一環で、9月定例議会の議案審議などの一部をオンラインでやり直す形で実施。24人の議員は自宅などからテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って発言。議員の質問には議会事務局職員が「市長」「部長」役になって答弁した。
表決の際には、タブレット端末を使った電子採決システムや、挙手などによる方法を試みた。オンライン操作への慣れには議員間で差があり、電子採決システムでの表決では、初めは参加できない議員も出て、事務局職員が対応に追われる一幕もあった。
市議会事務局は「見えてきた課題を分析して、将来オンラインによる議会も実現できるよう取り組みを進めたい」と話していた。