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被災者の必需品は移り変わっています

~毎日新聞「希望新聞」20110715~

東日本大震災 全国から喪服4100着 岩手県宮古・いわて生協呼び掛けに
 ◇被災者から感謝の声
 震災で大きな被害を受けた岩手県宮古市の「いわて生協マリンコープDORA店」(菅原則夫店長)が、喪服の提供を全国に呼び掛けたところ、4100着を超える善意が届いた。被災者に配ると、「父が亡くなり、礼服も流されて困っていました。助かります」などと感謝の声が多く寄せられている。

 組合員の一人から「合同慰霊祭に着ていく喪服がない」と悩みを打ち明けられたのがきっかけ。5月末、全国の生協に呼び掛け、希望新聞の紙面でも2回提供を呼び掛けた。全国からワイシャツ、ネクタイ、靴も届き、紳士服メーカー「洋服の青山」は新品を提供してくれた。北海道旭川市の僧侶からは数珠も送られてきた。

 「亡くなった主人が着ていた喪服です」「母親の品で、母親の供養にもなります」という手紙が添えられ、福島県の女性からは「お互いにがんばりましょう」という激励もあった。

 いわて生協は、宮古市、陸前高田市、山田町、大槌町など県内の避難所、仮設住宅に礼服を配った。どこも多くの人だかりで、年配の漁師からは「家も車も船も流され困っていた。立派な礼服をいただきありがたい」と感謝された。

 理事の香木みき子さん(45)は「喪服をもらいに来た時は暗い表情でも、帰る時は笑顔でした。添えられた励ましの手紙には、職員みんなが泣きました」と善意をかみしめている。

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