東京新聞 20140410
空き家を再生 アートな住宅に TAPが取手で事業スタート
取手市を芸術の街にしようと活動する「取手アートプロジェクト」(TAP)が、
空き家を芸術的な空間にして貸し出す「取手アート不動産」事業を始めた。
民間企業と連携した取り組みで、若手アーティストがアイデアを出す。
TAPでは「日々を過ごす家にアートが取り入れられると、新たな暮らしが生まれ、
街の風景も変わってゆく」と波及効果を期待している。 (坂入基之)
TAPは1999年に市、市民、東京芸大で設立。
数多くの芸術に触れる場を演出しており、団地住民をつなぐ「アートのある団地」、
田園地帯で農業と芸術の融合を目指す「半農半芸」などの企画を仕掛けてきた。
活動の延長線が今回の「取手アート不動産」。
昨年、国土交通省が空き家対策で公募した「住宅ストック活用・リフォーム推進事業」に、
団地の改修などを手がける民間企業「オープン・エー」(本社・東京都)と一緒に応募し事業者になった。
空き家のオーナーと若手アーティスト、アートな暮らしを求める借り主を結び付け、
空き家を新たな生活の場に再生する。
対象地域は、いずれも都市再生機構(UR)の大型団地のある戸頭地区と井野地区。
TAPの調査では、両地区で一戸建て住宅約百戸が空き家状態で、取扱物件の増加が見込まれる。
入居者募集の第一号物件は戸頭の二階建て住宅(約九十二平方メートル)で、
家賃は月額六万五千円。TAP側は、和室の床をくりぬいて掘りごたつ風にするなどのプランを提案している。
「取手アート不動産」の運営は、国交省からの補助金でまかなわれるため、改修プラン提案料などは無料。
TAPのアート不動産担当者は「取手を自由な感性とともに暮らせる地域にしたい」としている。