幸福(しあわせ)の黄色いスタミナ

ひたちなか商議所、スタミナラーメン+カレーで新ご当地メニュー 

産経新聞 20161110

 ■「ものづくりの街」味で表現

 ひたちなか商工会議所が、新ご当地ラーメンを企画、開発した。ひたちなか市発祥の「スタミナラーメン」に、カレーの風味を組み合わせたもので、その名も「幸福(しあわせ)の黄色いスタミナ」。同市に工業地域として発展した歴史があることから、「ものづくりの街ひたちなか」をコンセプトにした。さて、そのお味は-。(丸山将)

 「うん、うまい!」

 同市生涯学習センター(同市勝田中央)で行われた新ご当地ラーメンの発表会。招かれた関係者からは絶賛の声が飛び交った。机の上には空になった器がズラリ。同商工会議所の鈴木誉志男(よしお)会頭(74)は「ひたちなかのおいしい原石たちが、一つの宝石になった」と目を細めた。

 同商工会議所は約1年前に、同市内の飲食店経営者などで作る同市勝田三業組合と連携してこの企画をスタートさせた。その際、重視したのは「ストーリー性」だった。

 勝田地区には昭和20~30年代にかけて、工場が続々と誕生。同地区のものづくり企業は40年代に黄金期を迎えた。そこで働く社員の活力源の一つとなったのが、昭和50年代に誕生した、甘辛いあんを太麺にかけた「スタミナラーメン」だ。同時に、工場内の食堂では、栄養が豊富で手軽に調理できるカレーライスが人気だった。

 カレー風味のスタミナラーメンを新ご当地ラーメンにしたのは、そんな歴史を踏まえてのことだ。

 実際に開発を担当したのは、同組合に所属するラーメン店店主らで作った「新ご当地ラーメン研究会」。同研究会の会長で人気ラーメン店「大進」(同市元町)店主、川崎正悟さん(68)は「カレーの味を生かしながら、ラーメンとしておいしく仕上げるのが大変だった」と語る。

 食材には、ニンジンやニラのほか、同市産味付けダコを、薄く切ってチャーシュー代わりに使い、オレンジ色の濃厚な卵黄が特徴の同市特産の「オレンジ玉子」をトッピング。カレーのだしには、常陸牛のすじ肉を使用している。

 販売しているのは「大進」のほか、いずれも同市の中華料理「満福」(東石川)▽ダルニー食堂「大連」(同)▽中華料理「朝嵐」(青葉町)▽中華飯店「来鳳」(中根)。値段は1杯850円。来鳳は店舗改装中で、11日から営業を再開する。13日には、JR勝田駅東口前などで行われる町おこしイベント「勝田駅前タマリバ横丁」でも販売する。

 同商工会議所では取り扱い店舗の拡大を予定している。鈴木会頭は「関係団体と協力しながら、このラーメンを『ひたちなか名物』と呼ばれるよう育てていきたい」と力を込めていた。

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