寄贈 古里の巨木描いた油彩画 取手在住・松尾さん、長崎に 「観光に役立てて」
毎日新聞 20150403
取手市井野台の会社員、松尾治さん(67)が今夏、
古里の長崎県西海市にある巨木アコウを描いた油彩画「悠久の時1」を同市に寄贈する。
同作品は昨秋、全国公募展「二紀展」に初入選。
うねるような根の迫力が伝わる力作となっている。
松尾さんは「古里の観光に役立ててほしい」と話している。
松尾さんは西海市出身。
18歳まで暮らし、就職とともに古里を離れた。
定年後の趣味にしようと、約10年前から絵画教室に通い、
美術団体「茨城二紀会」会員として活動している。
西海市の松島には市文化財に指定されているクワ科「アコウ」(幹回り9メートル、樹齢不明)があり、
松尾さんは3年前に帰郷した際、ほかの木を乗っ取って成長したとされるアコウを見て、
その生命力に感動。執筆することにした。
3年前に描き始めた当初、躍動感を描ききれず、一度は断念したが、昨年6月から再挑戦し、
5カ月かけて100号キャンバス(縦162センチ、横130センチ)に仕上げた。
松尾さんは「気力で再挑戦し、樹木の生命力を表現した。
色遣いを工夫した」と話している。
同作品は6月11〜16日、取手駅東西連絡通路の市民ギャラリーで開かれる
「栄光絵画グループ展」で展示し、同月末にも西海市に寄贈する予定。
同市は「市長室の前に飾りたい」(政策推進課)と話している。