つくば竜巻 ボランティア始動、がれき撤去に大きな援軍
【写真説明】竜巻で室内に侵入した大量の瓦を撤去する災害ボランティア=8日午後1時23分、つくば市北条
被災地のがれき撤去を行う災害ボランティアの活動が8日、つくば市北条地区を中心に本格的に始まった。同市や県内外から多数集まり、被災者の生活再建に向けた大きな援軍として活動している。
市社会福祉協議会によると、7日午後3時から同市役所本庁舎と災害対策本部でボランティアを受け付け、8日夕までに200人以上が登録。作業依頼は主に1人暮らしの高齢者が多く、頼まれた被災者宅へ4〜10人程のグループを作って派遣している。
参加者は午前9時から住民の指示に従い、建物内の瓦やガラスなどのがれきを撤去。壊れた家電や家具なども運び出した。
ボランティアを頼んだ会社員、斉藤英利さん(55)は6人のボランティアとがれき撤去を行った。斉藤さんは「(がれきは)家族では手に負えない量だったが、皆さんの協力で1日で終わり、感謝している」と話した。
ボランティアで参加した同市松栄、無職、田渕豊さん(70)は報道を見て見慣れた街並みの激変に衝撃を受けて参加。「がれきの量が尋常ではなかった。少しでも街の復旧に携わりたい」と話し、汗を拭った。
一方、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市から友人ら約30人と参加したボランティア団体「オープンジャパン」の吉村誠司さん(46)は「戦場みたいで想像以上だった」と竜巻の破壊力に驚きを隠せなかったが、「被災者の笑顔が見られるよう早く終わらせたい」と話し、重機で破壊された車を撤去していた。
国土地理院が竜巻などの被害を受けた被災地の空撮(つくば・真岡・益子)を公開しました
7日正午ごろの撮影(幅1.2km長さ18km)写真から帯状に被害地域が確認されます
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~茨城新聞20120509~
つくば竜巻 がれき撤去本格化 県、再建支援法適用へ
竜巻で多くの家屋が倒壊したつくば市の北条地区などでは8日、がれきの搬出作業が本格化、住民やボランティアが家の中や敷地のがれきを片付け、建設業者らがトラックで市内二つの保管場所まで運び出した。依然として倒壊の恐れがある家屋が目立ち、一部で停電が続くなど、被災者らの生活再建への道は険しい。県は住宅に被害を受けた住民を支援する被災者生活再建支援法を適用すると発表した。
市は同日、民有地に飛散したがれきについて、市の責任で撤去する方針を決めた。がれきがある民有地の所有者から依頼があった物を対象とする。がれきを道路脇に運び出す際は、車両などの通行の妨げにならないようにしてほしいとしている。
また、飛散物の中に第三者の写真や貴重品を見つけた場合、災害対策本部への連絡と保管協力を住民に呼び掛ける。発見した貴重品は北条地区の筑波交流センターで保管する予定。がれきの受け入れは旧筑波庁舎や水守地区のクリーンセンターで継続している。
市は同日、罹災(りさい)証明の申請受け付けを14日から、筑波交流センター、または市庁舎2階資産税課で始める。
建物や通学路の被害のために休校していた筑波幼稚園と北条小は9日から再開する見通し。北条小の飲料水確保のため、給水車を配置する。
小田小から北条地区の市民研修センターに移動した避難者は計5人(8日現在)。
物資や食料の支援は筑波交流センターを拠点に実施。自宅にとどまる大多数の住民からはブルーシートを求める要望が強く、市は約1500枚を配布した。さらに在庫の確保を進める。
今後、食事配布は住民の利便性に配慮して北条商店街のふれあいロードに一本化。つくば青年会議所も同所で炊き出しを続けている。
修復作業で住居の移転が必要になった雇用促進住宅の入居者の受け入れ先は、ほかの地区の雇用促進住宅や公務員住宅の利用を検討している。
東京電力によると、8日午後7時半現在で、北条地区約200世帯の停電が続いている。下西高野地区の簡易水道の断水は7日中に解消した。安否確認などの作業を終えた自衛隊は8日午後0時半、撤収した。
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竜巻で生活一変 つくば・北条商店街に大打撃 店舗の半数以上被災
かつては筑波山の麓の門前町として栄え、現在も土蔵造りの街並みが残るつくば市の北条商店街は、竜巻の直撃で一変した。2009年に中小企業庁の「新・がんばる商店街77選」に県内で唯一選出され、地域活性化に向けた取り組みを積極的に進めてきた矢先。商店会約70店のうち約40店が被災し、観光拠点も大きな被害を受けた。関係者の落胆は大きい。
空き店舗を活用して昨年11月にオープンした観光案内所「北条ふれあい館」も、竜巻の直撃を受けた。2階建ての建屋が大きく傾いて隣の店舗に倒れかかった状態。倒壊の恐れがあるとして、急きょ8日に解体した。
同館の家主で市商工会企画指導課の松信利彦課長は「大型連休中はお客さんも多く、ようやく軌道に乗り始めた矢先の被害。残念でならない」と肩を落とした。
旧筑波町の中心地として栄えた北条商店街は07年、商店主や住民、筑波大生などで「北条まちづくり振興会」を結成。ブランド米の「筑波北条米」を活用して新商品を打ち出すなどの振興策を進めてきた。
商店街の関係者は8日もがれきの撤去作業を行い、吹き飛ばされた屋根にブルーシートをかぶせたり、ガラスが割れた窓枠に板を張り付けるなどの応急対応に追われた。
いずれも同地区の国登録有形文化財である「宮本家住宅」と「旧矢中邸」は竜巻の直撃は免れたものの、窓ガラスや屋根の一部に被害が出た。矢中邸は毎週土曜の一般公開を当面取りやめた。
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つくば竜巻 ボランティア始動、がれき撤去に大きな援軍
被災地のがれき撤去を行う災害ボランティアの活動が8日、つくば市北条地区を中心に本格的に始まった。同市や県内外から多数集まり、被災者の生活再建に向けた大きな援軍として活動している。
市社会福祉協議会によると、7日午後3時から同市役所本庁舎と災害対策本部でボランティアを受け付け、8日夕までに200人以上が登録。作業依頼は主に1人暮らしの高齢者が多く、頼まれた被災者宅へ4〜10人程のグループを作って派遣している。
参加者は午前9時から住民の指示に従い、建物内の瓦やガラスなどのがれきを撤去。壊れた家電や家具なども運び出した。
ボランティアを頼んだ会社員、斉藤英利さん(55)は6人のボランティアとがれき撤去を行った。斉藤さんは「(がれきは)家族では手に負えない量だったが、皆さんの協力で1日で終わり、感謝している」と話した。
ボランティアで参加した同市松栄、無職、田渕豊さん(70)は報道を見て見慣れた街並みの激変に衝撃を受けて参加。「がれきの量が尋常ではなかった。少しでも街の復旧に携わりたい」と話し、汗を拭った。
一方、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市から友人ら約30人と参加したボランティア団体「オープンジャパン」の吉村誠司さん(46)は「戦場みたいで想像以上だった」と竜巻の破壊力に驚きを隠せなかったが、「被災者の笑顔が見られるよう早く終わらせたい」と話し、重機で破壊された車を撤去していた。