茨城新聞 20200205
水戸城大手門が「開門」 復元完成祝い式典、住民らくぐり初め
水戸城大手門の復元完成を祝う式典が4日、水戸市三の丸の現地と三の丸小で開かれ、高橋靖市長による「開門」の合図とともに中央の大扉が開かれた。集まった関係者や地域住民らによるくぐり初めも行われ、迫力ある大手門に参加者らからは感嘆の息が漏れた。
大手門は同地区にあった水戸城の正門で、老朽化に伴い明治期に解体されたとされる。復元は当時と同じ在来工法で2017年6月に着工し、昨年9月に木造2階建て高さ13メートル、幅17メートル、奥行き6メートルの建物が完成した。今年1月に周辺の外構工事が完了したことを受け、式典を開催した。
三の丸小で行われた式典では、市の担当者が古写真や絵図資料の分析や6回に及ぶ発掘調査など、これまでの復元整備に至る経緯を説明。同小吹奏楽部による演奏も行われた。
その後は現地に移動し、高橋市長の合図で同小児童6人が大扉を開門。地元住民や一枚瓦城主としての寄付者らが重厚な柱や冠木などを眺めながら門をくぐった。高橋市長は「感慨深い。これで終わりではなく、観光振興や歴史教育などに生かした事業を展開していきたい」と意気込んだ。
市は大手門のほか、角櫓(すみやぐら)や土塀の整備も進めている。同課は「来年の水戸の梅まつり開幕までには、全ての整備を完了させたい」と話した。