競輪場正門裏で制作中 「えっ 明日には完成なんですか?」
8月21日常陽新聞 競輪場に巨大壁画出現
取手市在住の傍嶋さんらが描く
競輪場に自転車の楽しさ、魅力伝える巨大な壁画が出現―。取手市白山の取手競輪場正門の縦2㍍、横8㍍の壁に、取手市在住のアーティスト、傍嶋賢さん(30)が中心となり、自転車の楽しさ、夢を伝える壁画を描いている。壁画を描く試みは今回が初めて。
9月27日に同競輪場で開催される感謝祭「取手けいりん サイクルアートフェスティバル」(県自転車競技事務所、取手市など主催)に向けた事業の一環で、記念撮影できる名所づくりとして準備している。
傍嶋さんは「自転車人気が高まる中、若い世代に競輪や自転車の魅力、楽しさが伝えられる壁画が描ければ」と意欲を燃やしている。
傍嶋さんは、東京芸術大大学院美術科壁画専攻修了。国内外での展示会や、市内でのアートイベント企画などで広く知られる。同イベントのポスターも第一回から描き続けている。
壁画には、12人の大人や子どもが競輪のユニホームを身に付け、背中に筆やパレットなどを背負って自転車にまたがり、サイクリングとアートの時間をともに楽しむ様子が、紫や青の鮮やかな色合いを基調に描かれている。
絵具のチューブ型の自転車に乗ったり、眼鏡がハート型だったりと、傍嶋さんの作品の特徴でもあるユーモアや遊び心も多数ちりばめられている。また傍嶋さんが願う、幅広い世代が自転車とアートに親しむ、同競輪場の「未来予想図」が表現される。
制作は15日からスタート。オリジナルの絵を、壁の大きさに拡大。部分ごとに分割し、A3サイズの紙100枚に印刷したものを張り付けて壁に下絵を描き、そこに約40㍑の壁画用の絵具で色を染めていく。制作には同大生らもボランティアで参加。制作はほぼ終了段階にある。
同フェスティバルは、同市内に同大のキャンバスが立地し、多くの芸術家が住むことから、競輪とアートのコラボレーションによるイベントを目指し、2005年から毎年開催している。
競輪選手による模擬レースや、競輪場内でのスポーツサイクルの試乗会、同大学の学生や市内外のアーティストがオリジナル作品を販売する「アートマート」も好評で、例年、約1万5000人が来場している。傍嶋さんは、「ぜひ自転車で競輪場に訪れ、ここで記念撮影をしてほしい」と呼び掛けている。
全国郷土史連合では昨日制作途中の写真が見られます
競輪場内には守衛さんにお断りすれば見学可能ですが、競輪開催中は50円の入場料がかかります。