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常陽新聞 2月16日

水曜日, 2月 17th, 2010

取手駅舎整備を断念―JR東日本

市も自由通路建設を凍結

 
JR取手駅(同市中央町)に建設が計画されていた「橋上駅舎」と、駅西口と東口を結ぶ「自由通路」について、駅舎を整備する予定だったJR東日本が取手市に対し、整備を断念すると伝えていたことが分かった。JRの断念を受けて同市は、駅舎と一体的に市が整備する予定だった自由通路の建設を凍結する方針を決めた。15日開かれた市議会全員協議会に報告した。

自由通路整備は、1988年、西口に駅ビルがオープンして以降、20年来の懸案で、当初計画では2010年度に完成する予定だった。JR常磐線は13年の東京駅乗り入れが計画されているが、13年までに自由通路が整備されるのは絶望的。

同駅西口では現在、区画整理事業が実施されている。市は、西口前の商業施設「東急ストア取手店」(同市新町)が今年8月末で閉店するなどから、区画整理事業など駅周辺の活性化に優先的に取り組みたいとしている。

自由通路は、西口の駅ビル「ボックスヒル」内の自由通路を東口まで延長する計画で、長さ114㍍、幅6㍍、事業費は約17億円。橋上駅舎は、自由通路に沿った線路上の3階部分に建設し、改札口などを設置。合わせてエレベーターやエスカレーターを設置し、同駅をバリアフリー化する計画だった。

88年に完成した同駅ビルを西口に整備した際、当初、東口まで自由通路を整備するはずだったが、当時、東口で区画整理事業が行われ、東口側の降り口が定まっていなかったことから、同区画整理事業が終了した02年度以降に2期工事として整備する方向で先送りされていた。

市は05年から自由通路整備の計画づくりに着手。1日7万人の利用者を想定して、通路と駅舎を一体的に整備する計画を06年度に策定した。06年度から市とJR東日本が協議を開始、基本調査を実施し、規模などを検討していた。

しかし今月10日、JR東日本が市に対し、駅舎整備を断念すると通知。JR東日本は取材に対し「厳しい経済情勢の中、かかる工事費と、事業によって得られる効果を総合的に判断して断念した」とし、今後については白紙だとしている。

一方市は、経済情勢が改善すれば、事態が変化することがあるとして、自由通路は白紙ではなく凍結だとしている。

同駅は、駅ビル内に西口と東口を結ぶ通路がないことから、利用者は一旦、駅の外に出て、地下道を通ることを余儀なくされている。さらに東口にはエレベーターやエスカレーターがないことから、東口のバリアフリー化がさらに先送りになる。

JR取手駅の利用者数は96年は約10万6000人だったのに対し、08年度は6万4000人程度と3分の2に減少している。

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