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時代とともに変わる行政

水曜日, 4月 18th, 2018

横須賀が「終活」支援 入る墓を生前登録 全国初の「お墓の住民票」

産経新聞 20180409

神奈川県横須賀市は17日、市民が人生の最期に向けて準備する「終活」を支援するため、自分が入る墓の所在地を生前に登録する事業を5月1日から始めると発表した。

家族らの墓があるのに場所が分からず、無縁仏として納骨されるのを防ぐのが狙い。市によると、「お墓の住民票」ともいえるこうした取り組みは全国初。

遺言書の保管場所や葬儀の生前契約先、緊急連絡先などの情報も登録できる。本人の死亡後、墓の所在地は葬儀業者や墓参りを希望する人が市に問い合わせることで知ることができ、遺言書の保管場所は故人が指定した人だけに開示される。

市によると、身元が判明しているのに引き取り手がなく、無縁納骨堂に安置される遺骨が近年増加。子供のいない夫婦で、先立った夫の墓があるはずなのに、妻が亡くなった際に誰も墓の所在地を知らないといったケースがあるという。

市が登録情報を管理し、警察や消防、医療機関などの照会にも応じる。認知症患者の場合は親族や後見人でも一部の情報を除いて登録可能。市は高齢者夫婦などを中心に利用を呼び掛けていく。

山あい流れる桜の大河

月曜日, 4月 16th, 2018

岐阜県関市「寺尾ケ原千本桜公園」 ドローン×千本桜…谷を流れる大河の如く
産経新聞 20180415

杉に覆われた緑深い山あいに描かれたピンクのS字。小型無人機から見下ろした桜並木は、まるで谷を流れる大河のようだった。風が吹くと、花を付けた枝が川面のように揺れ花びらが舞った。

岐阜県関市の「寺尾ケ原千本桜公園」は県道沿い約2キロにわたって、ソメイヨシノを中心に約千本の桜が植えられている。満開の時期には多くの花見客でにぎわう。毎年訪れるという岐阜市の自営業、野口征司さん(75)は「(標高が高く)岐阜市内より1週間ほど開花が遅い。2度目の花見を楽しめるのが最高の醍醐味(だいごみ)」と、満足そうに花を見上げていた。

「この景色を作り出したのはかつての寺尾地区の人たち」と、教えてくれたのは関市武芸川事務所の川島友教所長(59)。昭和26年11月、この地区に待望のバス路線が開通したが、この時、道路わきの斜面では杉の植林計画が進んでいた。

これに、地元住民が「待った」をかけた。「道際まで杉を植えると日差しが遮られ、冬場は路面凍結でバスの通行が難しくなる。道路沿いに緩衝地帯を設けて」と訴えたという。

杉に代わり道沿いに植えられたのは、落葉樹のソメイヨシノ300本。夏は木陰を作り、葉が落ちる冬場は差し込む日光が道を照らし、春には満開の桜が楽しめるようになった。これが千本桜の始まりだった。

「今年は例年より10日ほど開花が早かった。でも、咲き具合は上々」と川島所長。湿気が多く、日差しが少ないこの場所は桜には不向き。2年前には、大量発生したマイマイガの幼虫に葉を食べられて木が弱り、満開になる前に桜は散った。市は防除や肥料をまく回数を増やし、桜の体力回復を図った。枯れた木の植え替えも進め、今年は、ほぼ本来の姿に戻ったという。

「観光資源で地域の財産でもある」(川島所長)という千本桜。地元住民が作り出した絶景は、今も大事に守られている。

型破りな老健の試み

木曜日, 4月 5th, 2018

【ゆうゆうLife】
ある老健の試み(上) ビュッフェ、幼児の世話、ビール… 環境整備で意欲喚起 自分らしく生きて死ぬには? 

 介護の必要な高齢者が、日中を過ごす通所系サービス。事業所によって活動内容はさまざまで、“正解”はない。だが、家族や介護職からは「転倒防止のため車いすから立たせない事業所もある」と不満も漏れる。自分らしく生きて死ぬには何が必要で、また、何がそれを難しくしているのか。利用者の意欲を呼び覚ますため、「生きていくにはリスクもある」という、型破りな事業所を2回に分けてリポートする。

 埼玉県春日部市にある介護老人保健施設「しょうわ」の昼食時間帯はにぎやかだ。通いや泊まりの利用者が、歩行器でビュッフェの列に並ぶ。この日のメニューは、カレーライスや南蛮漬けなど和洋折衷。利用者が午前中に作ったマカロニサラダやレーズンパン、すいとんは、またたく間になくなった。

 職員にトレーを持ってもらい、林孝史さん(89)仮名は歩行器でテーブルに移動した。しょうわの事業所内保育所に通う幼児2人も同じテーブル。職員は「このあたりには、子供好きの人が座るから大家族の雰囲気。林さんは大人気で、子供たちの“林さん待ち”が出るくらい」という。

 子供が食事中に飽きて遊び始めると、林さんがスプーンで口に運ぶ。「子供はすぐに『これは食べる』とか『食べない』とか言って…」と苦言を漏らしつつ楽しそうだ。

 老人保健施設は、家での暮らしを支援する施設。全国に約4200カ所あり、約36万人が利用する。医療機関から退院後に家へ帰るためのリハビリをしたり、利用者が施設にいる間、家族が介護の息抜きをしたりする。

 ただ、しょうわのケアは一風変わっている。掲げるのは「常識にとらわれない、非常識な介護」。利用者には行動制限はもちろん、食事制限もしない。施設長の佐藤龍司医師(54)は「意欲が出れば体が動く。介護は、本人の心を動かすサービスが必要だ」と言う。そのために、プログラムは多種多様だ。特に男性に人気はグラウンドゴルフ。男性は介護事業所に通いたがらないが、これが利用のきっかけになっている。参加すると「しょうわ通貨」を稼いで、ビールを飲めるからだ。そのために、歩行器を使い始めた人は少なくない。

脳出血の後遺症で体の左側にまひのある男性(65)は、ジョッキを片手にゴキゲンだ。「家では飲ませてもらえない。今日はホールインワンだったから中ジョッキなんだ」。乾杯相手の男性(53)は右側にまひがある。火曜と木曜に一緒になる友人同士だ。

 WHO(世界保健機関)が言う健康状態は、心身の機能維持▽活動▽参加-が相互に影響しあってできる。「周囲ができるのは、本人が『参加したい』と思える環境をつくることだ」(佐藤医師)

 しょうわでは、午前中に料理をするグループもある。認知症の女性は懇切丁寧に調理台を拭き続け、その横で男性が「料理はなんでも得意だよ。ぼくは、ここで働いているの」と快活に話す。スタッフは「利用者さんですが、ご本人は働きに来ているつもりで、夜も『今日は泊まり勤務か』と納得すると、穏やかに過ごされます」。

 佐藤医師の原点は、20年以上前に勤めた老人病棟での経験。「入院患者は、罵声(ばせい)や徘徊(はいかい)で家族がみられなくなった認知症の人たち。病院は入院させると薬で鎮静し、患者はぼーっとして表情を失う。オムツにして、動かないようにして寝たきりを作り、患者は褥瘡(じょくそう)ができて、誤嚥(ごえん)性肺炎で死んでいく」

 それが嫌で、認知症を勉強してこれまでと違ったケアのしょうわを作った。自分らしく生きて死ぬことを目指し、利用者には「今できること」をしてもらう。転倒するかもしれないが、立って歩くことを推奨し、施設には鍵をかけない。ふらりと出て行く人を、後ろからスタッフが上着を持って追いかける。

 利用開始時には、歩けない人もいる。寝返り、起き上がり、座る、立つ、歩くの基本動作から始め、次が食事や着替えなどの日常生活動作。それから電話をかけたり、外出したりの活動や参加ができ、その過程でやりがいやプライド、意欲が生まれる。

 「転ぶかもしれないが、歩いたり立ったりできる環境が必要。人が生きているときは、そういうリスクの中で生きている」

 「機能回復進むケアを」

  宮島俊彦・兵庫県立大学大学院経営学研究科客員教授の話

  介護施設は、ともすると“管理”が優先しがちだ。安全第一でスタッフの都合が優先すると、みんなで歌を歌わせて、一斉に食事をする「集団処遇」になる。

 個々の意思を尊重する事業所は増えており、今は過渡期だ。東京都町田市の通所介護事業所「DAYS BLG!」では、利用者が自動車ディーラーで洗車をしたり、青果市場で野菜の選別をしたりする。謝金が少し出ると、「今日は働いた」という充実感が生まれ、「家族に今川焼きでも買って帰ろう」という気持ちになる。神奈川県藤沢市の「あおいけあ」や、山口市を拠点とする「夢のみずうみ村」も、利用者の希望にそってプログラムを組む。

 意思や意欲が尊重されれば、人は自然と力が発揮され身体が動く。それがリハビリになり自立につながる。あたりまえのことだ。ケアの方法を変えると自立支援につながる。介護事業所は福祉的なサービスだけでなく、本人の機能回復が進む方向にサービスを変えていく必要がある。

自分の死亡届を取手市役所に提出

日曜日, 4月 1st, 2018

自分の死亡届を市役所に提出 41歳男を逮捕、診断書も偽造
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産経新聞 2018年3月30日

 自分の死亡届を市役所に提出したとして、茨城県警取手署は28日、有印私文書偽造・同行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで、同県守谷市百合ケ丘の無職、片見英貴容疑者(41)を逮捕した。容疑を認めている。同署が動機などを調べている。

 逮捕容疑は、自らが死亡したという死亡診断書と死亡届を偽造し、1月23日午後9時ごろ守谷市役所に提出。戸籍に嘘の記録をさせようとしたとしている。

 同署によると、死亡届に空欄部分が多いことを職員が不審に思い、同署に通報していた。

ゆめあかり3.11 新聞掲載

月曜日, 3月 12th, 2018

NHKの首都圏newsとおはようニッポン

 

朝日新聞
あの日の教訓、忘れない 震災から7年

7年前のきょう、東北と茨城は未曽有の地震と津波に見舞われた。あれから2557日。あの日に思いをはせ、震災の教訓を未来に生かすための活動を続ける人たちがいる。

東日本大震災の犠牲者追悼と被災地復興への願いを込めた行事「ゆめあかり3・11」が10日、取手市の藤代庁舎広場であった。約1万1千個の紙袋に包まれたキャンドルが点灯し、「笑顔」「絆」「平和」などの文字や絵が浮かび上がった。

市内の主婦グループ「ゆめまっぷの会」が震災翌年の2012年から企画。地元の小中学校などから約9千枚の袋が寄せられ、全国39都道府県や12カ国・地域からも約2千枚が届いた。

 

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茨城新聞
冥福祈るキャンドルの灯 取手

東日本大震災の犠牲者の冥福と被災地の復興を願う「ゆめあかり3・11」が10日、取手市藤代の市役所藤代庁舎敷地内で開かれ、1万1000個のメッセージ入り紙袋キャンドルに火がともされた。

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毎日新聞
東日本大震災7年
手製のあかり1万1000本 復興祈る 取手でキャンドルイベント
1万1000本もの手製キャンドルを並べて東日本大震災からの復興を祈るキャンドルイベント「ゆめあかり3・11」が10日、取手市藤代庁舎前広場で開かれた。

イベントは今年で7回目。同日午後4時に開会し、市民ボランティアが次々に紙袋キャンドルに点灯していった。辺りが暗くなるにつれて、「絆」「復興を願って」などと書かれたメッセージがほのかなあかりに照らし出された。

今回はアジアや英米など12カ国・地域からもメッセージが寄せられ、「加油」(頑張れ)と中国語で書かれたキャンドルもあった。

被災者と取手市民の交流団体「取手・南相馬・双葉浜通りの集い」の三浦邦夫代表(74)=千葉県柏市=は「震災を忘れずにイベントを続けていただき、被災者としてありがたい。震災の記憶を子供たちに伝えていきたい」と話していた。

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産経新聞
【東日本大震災7年】「鎮魂の明かり」温かく 取手でイベント

取手市の主婦グループが主催するイベント「ゆめあかり3・11」が10日、市役所藤代庁舎前広場(同市藤代)で開かれ、約1万1000個の「鎮魂の明かり」が周囲を温かく照らした。

イベントは、市内在住の4人で結成した「ゆめまっぷの会」が震災翌年の平成24年から始めた。絵や文字が書かれた紙袋をキャンドルにかぶせ、明かりをともして震災犠牲者の鎮魂と復興への願いを込める。7回目の今年は、海外からのメッセージも寄せられた。雨宮由利子代表(68)は「頑張って続けていきたい」と話した。

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読売新聞

復興の祈りともす

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取手東小を舞台「リカちゃん」が“卒業”

火曜日, 3月 6th, 2018

児童と成長、リカちゃん卒業 取手の学校や団地舞台、漫画の主人公
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産経新聞 20180305
取手市吉田の市立取手東小を舞台に制作されてきた漫画の主人公「リカちゃん」が同小を“卒業”した。東京都在住の芸術家夫妻が平成23年に始めた地域の漫画で、小学校に入学したリカちゃんが児童たちとともに成長していく姿が描かれてきた。卒業式では、スクリーンに映し出されたリカちゃんが卒業証書を受け取る場面を児童約500人が温かく見守った。(海老原由紀)

漫画「リカちゃんハウスちゃん」の作者は、宮田篤さん(34)と笹萌恵さん(31)の夫妻。主人公はリカちゃんと、その保護者で住居の「ハウスちゃん」で、同小のほか取手市内の団地を舞台に、市民とのコミュニケーションを通じて物語を組み立てている。

リカちゃんは井野小に入学したが、統廃合で閉校したため、統合校の取手東小で活動を続けた。昨年4月から6年生の設定で、卒業式は同小側のアイデアで実現する運びとなった。卒業式は2日に開かれた「6年生を送る会」の中で行われ、豊島俊彦校長があいさつをしてステージの奥に姿を消すと、幕が開いてスクリーンが登場。漫画の世界に入り込んだ豊島校長から卒業証書を受け取ったリカちゃんが「やったー!」と大喜びする映像が流された。

作画を担当する宮田さんは「アイデアが実現できたのは良かった」と感想を話した。主に物語の筋立てを担う笹さんは「みんなが(漫画のことを)知っていてくれて、ほっとしました」と笑顔を見せた。

2人は月1回、同小の図書室を訪れ、児童と交流しながら漫画の「素材」を集めてきた。豊島校長は「子供たちの目を輝かせてくれた。リカちゃんはみんなの心に生きていると思う」と感謝した。

漫画は今後も続くが、その先の展開はまだ決まっていないという。

ゆめあかりカフェ&ステージ

日曜日, 3月 4th, 2018

産経新聞社より

大阪ラーメンを8箱提供いただきました。

昨年も大人気でしたよ。

土曜日のお天気が気になります・・・

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ゆめあかりステージ

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創業支援、2市でタッグ 取手と龍ケ崎が協定 貸オフィス・店舗も

金曜日, 11月 17th, 2017

創業支援、2市でタッグ 取手と龍ケ崎が協定 貸オフィス・店舗も 茨城

産経新聞 20171117

取手、龍ケ崎両市が創業支援に向けた連携協定を締結し、起業家支援を本格化させている。両市の情報やノウハウを共有して起業者を支えることで、地元に新たなビジネスを生み出し、地域経済を活性化する狙いがある。両市は起業の拠点となるレンタルオフィスも整備し、事業拡大についても手厚く支援する考えだ。

両市は施設の利用や起業相談、セミナーといった支援のほか、広報媒体の発行でも連携する。両市が設置した2カ所のレンタルオフィスに加え、国内19カ所の施設も利用できる。こうした支援事業を統括する連携推進本部も置かれ、吉田雅紀本部長(63)は14日の協定調印式で「取手、龍ケ崎に起業の文化と環境をつくりたい」と語った。

協定調印と同時に、JR取手駅ビル「ボックスヒル取手店」(取手市中央町)内で、貸し出し期間限定の「チャレンジショップ」がスタート。来店客の休憩場所だった1階フロアの約130平方メートルを改装し、飲食や物販、サービスの計7店舗のスペースが用意された。営業できる期間は1週間から1年で、すでに6店舗が埋まっている。

「一等地に立つ駅ビルに自分の商品を並べられて感動した」

チャレンジショップでペットの関連グッズを販売する阿見町の戸田さつきさん(38)はこう語る。戸田さんは広告代理店でプランナーをしていたが、交通事故で愛犬を失ったのがきっかけで起業を決意。インターネットやイベントを中心に商品販売をしているが、チャレンジショップを足がかりに「取手で出店することを目標に頑張りたい」と話している。

ボックスヒル取手店の小野雅充店長は「街が元気付くことが一番の願いだ。ここで力を付けて、巣立ってほしい」と期待した。

龍ケ崎市も14日、市街地活力センター「まいん」内にレンタルオフィスを設けた。

 
茨城 取手駅ビル内にチャレンジショップ「MATCH MARKET」が11月14日(火)オープン 飲食2店舗、物販・サービス4店舗が出店

エキサイトnews

起業支援ショップ開設 取手駅ビル

木曜日, 11月 16th, 2017

茨城新聞 20171116

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芸術家×取手市民、物語紡ぐ 団地や小学校舞台の漫画、地域交流育む

火曜日, 10月 31st, 2017

芸術家×取手市民、物語紡ぐ 団地や小学校舞台の漫画、地域交流育む 茨城取手

 東京都在住の芸術家、宮田篤さん(33)と笹萌恵さん(31)夫妻が、取手市民とのコミュニケーションを通じて物語を紡ぐ漫画の連載に取り組んでいる。現存する団地や小学校を舞台にストーリーが展開し、連載は今年で7年目となった。温かみを感じる画風の漫画は、地域の交流を育み、街の足跡を残す役割も果たしている。(海老原由紀)

                 
 聞き取りから素材集め

 2人の漫画「リカちゃんハウスちゃん」は、トラックに乗って取手市の井野団地にやってきた少女「リカちゃん」と、その保護者で住居という「ハウスちゃん」を主人公に平成23年、連載が始まった。この基本的な設定は変えずに、団地住民や児童との会話と、「おたより」と称する質問用紙の回答をもとにストーリーを組み立てている。

 作画は宮田さん、聞き取りや物語の筋立ては主に笹さんが担当する。2人は月に1回、市立取手東小(同市吉田)の図書室を訪れ、昼休みの時間を利用して児童から話を聞き、漫画の「素材」を集めている。修学旅行の土産、髪形の流行、花の種類-と話題はさまざまだ。

 図書室には写真アルバムに納めた漫画のほか、ポストを置いて「おたより」も募集している。笹さんは「この活動をしていると、自分の小学校時代を思い出す」と話す。クラスメートだけでなく、学年の違う児童が話し合う場面もあり、漫画は新たな交流を生み出す効果をもたらしている。

 作品の公募やアーティストを紹介する「取手アートプロジェクト(TAP)」に参加した約10人のメンバーらが22年に、新たなことを始めようと再び集まったのが、漫画連載のきっかけとなった。当時のTAPに関わった宮田さんは「団地住民が共有できるフィクションがあれば」と、学生時代のスケッチを生かす創作活動を思い付いた。

 少女の成長と街の変遷

 当初は、井野団地の住民や商店主らに話を聞き、掲示板に漫画を張っていたが、リカちゃんの“成長”にあわせて、24年5月からは団地近くの井野小にも活動の場を広げた。

 井野小は27年3月に学校統廃合で閉校したため、その2カ月後に統合校の取手東小に拠点を移動。リカちゃんも漫画の中で井野小から取手東小に転籍し、児童とともに成長していく。

 団地内の隣り合う美容院と理容店、今はないパン屋、閉校する井野小…。1年に1冊のペースで連載している漫画には、団地や小学校の何気ない風景が描かれ、思い出が蓄積されている。宮田さんは「後で読むと、『あのときはこうだった』と思い返せる」といい、笹さんは「結果的に記録できたことは大切にしたい」と語る。

 リカちゃんは現在、6年生の設定。同じ学年の児童は来年3月で卒業するが、漫画のストーリーはどんな展開にするか定まっていない。

 宮田さんは「児童とのやり取りでイメージをふくらませ、『これだ』と決まれば」と話しており、これからも漫画の連載を通じたコミュニケーションを楽しんでいくつもりだ。