茨城県内待機児童 過去5年で最少に 定員増が要因か
産経新聞 20200818
保育所などの空きを待つ待機児童の数が茨城県内では今年、過去5年間で最少の193人(4月1日時点)となり、前年より152人減ったことが県子ども未来課のまとめで分かった。県は、昨年から保育所などの定員を約2000人増やしたことが減少につながったとみており、今後、保育の受け皿拡大や保育人材の確保を進め、来年4月には県内の待機児童ゼロを目指す。
令和2年4月1日時点の待機児童数は、つくば市が42人と最も多く、次いでつくばみらい市(30人)、取手市(24人)、阿見町(24人)、水戸市(23人)と続いた。うち0~2歳児は全体の約80%を占めた。
人口が増加傾向にある県南地域の待機児童数は123人で、全体の約6割を占めたが、つくば市は前年より89人減らすなど、減少傾向がみられた。
一方、水戸市の待機児童は昨年より5人増の23人。高橋靖市長は、昨年度中の待機児童ゼロを公約の「一丁目一番地」と掲げたが、達成できておらず、児童の定員増に伴う増改築整備への補助事業に3億4020万円を今年度当初予算に計上するなどして改善を目指している。
女性の就業率が向上していることなどから、保育所などへの入所希望者数は年々増加傾向にあり、令和2年は、4年前より約7千人増の6万901人が入所を希望した。
県は引き続き保育施設の整備に取り組むほか、少人数の子供を預かる小規模保育事業の普及も進め、今年度中に定員2千人増を目指す。施設の拡張とともに、保育士不足の解消も必要になる。県は、保育士資格保有者を中心に、希望者と保育所とのマッチングを行う「いばらき保育人材バンク」などの事業を展開して人材確保も進めていく方針だ。
県子ども未来課の担当者は「受け皿となる保育施設の拡大と保育人材確保が両輪。市町村とも連携して来年の待機児童ゼロという目標を達成できるよう努めていく」と話している。