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旧取手宿本陣染野家住宅 歴史感じさせる入り母屋造り 毎日新聞20140614
歴史の厚みを体感できる風格と存在感を放っている。
江戸時代の参勤交代で、大名の宿泊や休憩に使われた本陣「旧取手宿本陣染野家住宅」。
水戸街道沿いに残る本陣建築はこのほか、土浦市「中貫宿」とかすみがうら市「稲吉宿」の計3棟のみ。
1795年建築の染野家住宅は最古かつ最大規模を誇っている。
入り母屋造りと呼ばれる伝統的な建物は、取手宿の名主だった染野家が自宅としても使用。
建物の左半分が水戸徳川家の本陣として使用されていた。
主屋正面玄関には大名らがかごを横付けした「式台」。
そして、最奥には大名が使った「上段の間」がある。
上段の間の床はほかの部屋より約20センチも高く造られており、武家社会の階級差が感じられる。
敷地内の裏山には、水戸藩九代藩主・徳川斉昭が1843年、染野家に贈った歌碑も残る。
歌碑には斉昭が詠んだ和歌が刻まれている。
「指して行 さほのとりての 渡し舟 おもふかたへは とくつきにけり」。
歴史を思う絶好の場所となっている。
一般公開は金〜日曜日の午前10時〜午後4時。
入場無料。
問い合わせは取手市埋蔵文化財センター(0297・73・2010)。
取手市埋蔵文化財センター長・飯島章さんの話
推薦人◇水戸街道の本陣建築で唯一公開 取手市埋蔵文化財センター長飯島章さん
旧取手宿本陣染野家住宅は水戸街道の本陣建築で唯一公開されて居ます。
水戸に向かった最後の将軍、徳川慶喜がこの表門でかごを降りて、玄関まで歩いたとも伝えられています。
ぜひ体験してみてください。