戦時下の悲劇2作品上映「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」「母 小林多喜二の母の物語」 取手で7日に
毎日新聞 2018年7月3日
戦時下の国策が引き起こした悲劇を描いた映画「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」と「母 小林多喜二の母の物語」の上映会が7日、取手市寺田の同市福祉交流センターで開かれる。いずれも後世に平和の大切さを伝える。
「望郷の鐘」(2014年制作)は、旧満州(現中国東北部)に渡った「満蒙開拓団」と中国に残された子供たちの悲劇がテーマ。主人公の住職、山本慈昭はソ連参戦後の混乱で妻子を失い、自らもシベリアに抑留される。慈昭は帰国後、中国残留孤児たちの帰国救済に取り組んでいく。俳優の内藤剛志さん(63)が慈昭を演じる。
「母」(17年制作)は、三浦綾子さんの同名小説が原作。反戦を訴える小説が「危険思想」とみなされ、特高警察の拷問を受けて死亡した作家、小林多喜二の母セキを描く。俳優の寺島しのぶさん(45)が熱演している。
いずれも数々の社会派映画を手がけてきた山田火砂子監督(86)の作品。
毎日新聞の取材に対して、山田監督は「二度と戦争をしてはいけない。2本の映画を通して感じ取っていただきたい」と鑑賞を呼びかけている。
上映は「望郷の鐘」=10時半▽「母」=午後2時。山田監督がそれぞれの上映前に舞台あいさつする。
料金は、一般前売り券1200円(当日券1500円)▽高校生以下500円(当日券同額)▽障がい者1000円(同)。いずれも1本の料金。申し込みは「現代ぷろだくしょん」(03・5332・3991)。