常陽新聞 20160825

常陽新聞 20160825

茨城新聞 20160825

女の気持ち 53歳の転職
毎日新聞2016年8月24日
15年間勤めた会社を思い切って辞め、今の会社に転職して3カ月目になる。覚悟はしていたものの、これまでとは全く違う社風や習慣、価値観にとまどい、苦慮し続けている。
決して前の会社が嫌になったわけではなかった。たまたま、以前から勤めてみたいと願っていた会社の求人広告が目に留まり、運試しのつもりで応募したら、幸いにも採用されたのだった。だが、世の中そんなに甘くはない。すぐに自分の能力に自信を失うことになった。
そんな中でも収穫はあった。手本として尊敬できる同僚の女性に2人も巡り合ったことだ。
派遣社員のTさんは、これまでいくつもの企業でレベルの高い仕事をこなしてきた経験からか、自分の中に知識の引き出しを豊富に持ち、どんな範ちゅうの話題にも対応できる。
私と同じパートタイマーのKさんは、仕事の手際の良さは神業とも言えるほどで、そのうえ他人への思いやりにあふれ、人間のかがみとも呼べる人だ。私のような凡人は、彼女たちにはとてもかなわないなと思う。
15年間も同じ職場にいると、勝手はわかるし要領はよくなるしで、知らず知らずのうちにテングになってしまう。わかっていたはずなのに、「自分はちょっと仕事ができる」くらいに思い込んでしまっていたのだ。認めたくはないが、2人の同僚からそのことを突き付けられた。
53歳の転職は、新しい仕事との出合いというより、社会人としての姿勢を正された。そのことの方が収穫だった
茨城新聞 20160821

9月18日午後2時開演 取手市民会館
売上金の一部は、取手市利根町守谷市の社会福祉協議会へ寄付
全席自由 5000円
申込 会田記念リハビリテーション病院 担当 村田さん
0297-48-6111まで
ミュージカル
地球環境テーマに 小中学生23人元気良く練習 来月4日「国際音楽の日コンサートinとりで」
毎日新聞2016年8月21日
ミュージカルやゴスペル音楽などを披露する「国際音楽の日コンサートinとりで」が9月4日、取手市民会館で開催される。ミュージカルは地球環境をテーマとした「NOW BEGINS AGAIN」。出演する小中学生23人が、市内でミュージカル演出家、杉本智孝さん(千葉県木更津市)の指導を受け、元気良く練習に取り組んでいる。
出演する小中学生は主催の実行委員会が公募した。夏休み中に集中練習する。初練習では歌や振り付け、ステップを懸命に学び取った。取手市立取手一中2年、星野百香さん(14)は「見ている人が楽しくなってくれるようなミュージカルにしたい」と張り切っている。ゴスペルは地元グループ「スパークリング・ボイセズ」や、関東圏の100人規模のグループが出演する。
午後2時開演。前売り入場券は一般1500円(当日券2000円)▽中学生以下800円(同1000円)。取手市文化事業団(取手福祉会館内0297・72・2258)などで販売中。
常陽新聞 20160820

水説 「壁」ではなく「橋」を 中村秀明
毎日新聞2016年8月17日
東西のベルリンをへだてる「壁」が築かれ始めたのは1961年の8月13日未明のことだった。旧ソ連の決定に当時の東ドイツ政府が従い、実行した。
壁といっても最初は、有刺鉄線で道をふさぎ、人や車を通れなくするといった簡単なものだった。わきをすり抜けるのも、車で突き進むのも可能だったので、多くの市民は長くても2カ月くらいだろうと思っていたようだ。
しかし、1週間もたたずに壁は頑丈になる。セメントやレンガでの建設があちこちで進んだ。玄関の前の通りが西ベルリンという中層住宅では「1253もある窓をレンガでふさぐ作業が始まり、2000人の住人は翌月末までに退去するよう命じられた」と、「ベルリンの壁の物語」(原書房)は書いている。
そして8月20日以降は、壁を越えようとして撃たれる人も出たという。
「分断」と「対立」を象徴したベルリンの壁はもうないが、新たな壁を築く動きは絶えることがない。
代表的なのは、イスラエルによるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の「分離壁」だ。建設中止を求める国連決議などに構わず、建設が続く。また米大統領候補のトランプ氏は、メキシコ国境に不法移民の入国を阻止するための壁を設けると公約している。
世界に壁が増えていくことを憂えている一人がローマ・カトリック教会のフランシスコ法王だろう。
昨年秋から「壁と橋」について何度か語り、この夏、ポーランドのアウシュビッツ収容所跡などを訪れた際も繰り返し口にした。
「平和は橋をかけ、憎しみは壁を築く」
「壁は分裂を生み、憎しみは増大する。橋は人々を一致させ、人は互いに話し合うことを学び、憎しみは対話に場を譲っていく」と。
集まった若者には「たくさんの橋をかけてください。わたしは人間的な橋がたくさん築かれるのを見たい」と語りかけた。
実際の壁でも、心の壁でも、そのきっかけは小さなことかもしれない。壁自体も最初はちっぽけなものだ。しかし、壁に囲まれていると疑心暗鬼や不安が増幅し、もっと壁を強固にしたくなる。そして、壁を取り除くのがますます難しくなる。
夜明け前、動員された労働者がトラックに積んだ有刺鉄線を道に広げることに始まり、28年以上も続いたベルリンの壁もそう教えている。壁を築くよりも、橋をかけることを選びたい。
養老渓谷で出会える“2階建て”トンネルの不思議 千葉県大多喜町「共栄・向山トンネル」
房総の温泉郷として知られる養老渓谷(千葉県市原市、大多喜町)に、出口が“2階建て”に見えるトンネルがある。
小湊鉄道の養老渓谷駅(市原市)から約2キロ、養老川へ向かうハイキングコースの途中にある全長115メートルのトンネル。道幅は狭く、車はすれ違うことができない。東側からトンネルへ入ると、ひんやりと涼しく心地よい風が吹き、外の蒸し暑さを忘れてしまう。
奥へ進むと、上下2つの出口が見えてくる。さらに歩くと“下”に進み西側に抜けることができるが、“上”に出ることはできなかった。
“2階建て”になった理由は、こうだ。かつては普通のトンネルで、西側の出口は“上”が使われていた。昭和45年、接続する道路への利便性をよくするため、トンネルの途中から道路はさらに深く掘削され、“下”の出口が新たに完成。“上”は、埋め戻されなかったため、2つの出口ができた。
また、不思議なことがもう一つ。1本のトンネルなのに別々の名前が東西の入り口に記されている。同町によると、東側から92メートルが「向山(むかいやま)トンネル」、西側から23メートルが「共栄トンネル」だという。「詳しくは分からないが、もともと存在した古いトンネルのためではないか」と話す。
幼少の頃からトンネルの近所に住み、夫婦で足湯屋を営む四倉沖太郎さん(81)は「小さい頃は昔あった上の道をよく使っていた。戦時中は焼夷(しょうい)弾から逃れるため、(トンネルの)中に掘られた3つの防空壕(ごう)に隠れた」と懐かしむ。
防空壕は今もトンネル内に残っているが、頭上の側面にあるため、内部を見ることはできない。15日で終戦から71年。あまり知られていない戦跡が暗闇で時を刻んでいた。
茨城新聞 20160814
連日の猛暑が続く中、日本競輪選手会茨城支部(戸辺裕将支部長)が、自転車をこいでかき氷を作れる「自転車こぎ氷機」を制作した。9月22日に取手市白山の取手競輪場で予定している「サイクルアートフェスティバル」の選手会ブースでお披露目し、実際にかき氷を作って来場者に提供する。戸辺支部長は「大変暑い夏になったが、かき氷ならぬ『こぎ氷』で残暑を乗り切ってもらえれば」と話している。
自転車こぎ氷機は、同支部の小川晋一郎事務長(45)が中心となって制作。子ども用のロードレーサーと、市販のかき氷機を競輪の競技用自転車のチェーンでつなぎ、ペダルをこぐことで、かき氷機のハンドル部分が回転するよう連動させた。同様の自転車を制作した実績のある支部への視察なども含め、約3カ月に及ぶ構想期間を経て、2日間で改造した。
1杯分のかき氷を作るのにかかる時間は10秒程度。フェス当日は、9人で争う実際の競輪レースで着る勝負服の色にちなみ、コーラ、イチゴ、レモン、グレープなど、勝負服に合わせた9色9種類の味を選べる仕様にするという。
今年の同フェスは、東京芸大の学生らが自転車のパーツから作った楽器などを使って会場を練り歩くパレードや、謎解きイベント「不思議の国のバンク」などを予定。戸辺支部長は「こぎ氷以外にも、いろいろ楽しめると思うので、ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。