常陽新聞 2010.3
5●団塊世代の大量退職に備え手当債
取手市、借金で退職金を捻出
団塊世代の市職員大量退職に備え、取手市が3月補正予算で初めて計4億1800万円の退職手当債を発行する。
市税の減収など一般財源が少ないことから、借金をして退職負担金を捻出(ねんしゅつ)する。
同市によると、退職手当債は、2006年度に結城市が発行、06~08年度に境町、07~08年度に筑西市と大子町が発行し、09年度は同市のほか古河市、境町が発行するという。団塊世代の大量退職は、行政の変革を加速させている。
09年度の退職者は、早期退職が24人、定年退職が40人の計64人。市町村職員の退職金は、県総合事務組合から支払われ、不足分の退職手当特別負担金を市町村が負担するが、64人分の退職負担金(平均約650万円)を借金する。
同市は10年度から、3カ年の「市財政構造改革アクションプラン」に取り組み、12年度まで3年間は新規職員を採用せず、減った人件費で退職手当債を返済する方針だ。
同市は「今後10年間で、職員の半数の400人が定年退職で入れ替わる。業務体制の抜本的な見直しや、アウトソーシング(民間委託)に取り組まないとやっていけなくなる。今後3年間が正念場」とする。
今年、市制40年を迎える同市は、市制施行した1970年直後に市職員の採用数を増やした。40年経ち、12年度に54人が定年を迎えるなど大量退職者の最初のピークを迎える。さらにその5年後の18年度には53人が定年となるなど2度目のピークが来る。09~18年度までの10年間は毎年、30~50人台の職員が定年を迎える。10年間の延べ退職者数は約400人になり、現在の市職員の半数が入れ替わる計算だ。
同市の09年度の職員数は計970人(正職員のみ)。今後3年間新規採用を抑えると、12年度には職員数が計840人程度になる。全国の同規模市町村の職員数は平均859人で、全国平均並みになると見込まれている。13年度以降は再び新規採用を始めるが、どの程度採用するかは現在未定という。
10年度から3年間、市職員を新規採用しないことで削減される人件費は10年度3億4700万円、11年度5億9600万円、12年度7億1500万円。市はこの削減分を財源に、09年度に発行する退職手当債を15年間返済していく方針だ。
市は、10年度当初予算案では同手当債を計上してない。しかし景気低迷による法人市民税などの減収に見舞われており、先行きについては市財政課は「今後の市税の状況をみながら見極めることになる」とする。
新聞数紙を、3月4日までお願いしていました。
今日からさびしくなりました。