~常陽新聞2011.05.13~
学校などで放射線量測定―取手
51カ所、簡易型測定器を使用
取手市災害対策本部は12日、市内の学校施設と児童施設計51カ所で
13日に放射線量を測定すると発表した。結果は市ホームページで公表する方針。
放射線量測定に関し、多くの市民から意見が寄せられているため、
市教育委員会が日本科学技術振興財団から教職員研修用として借用している
簡易型測定器を用いて実施する。
対象は小学校18校、中学校7校、保育所9カ所、
保育園(民間)6園、幼稚園(公立1、民間11)12園。
小中学校では午後0時30分から午後1時30分の間に、昼休みを利用して測定する。
保育所などでは午後2時から3時までの間に、市職員が2人1組で8班体制で計測する。
民間保育園6園、民間幼稚園11園は希望によって実施する。
同市内などでは、小泉俊明衆院議員が測定した情報をホームページで公表し、
問題となっていた。
小泉氏は政務官としてではなく、一衆院議員として地元の心配に応え、
個人的に入手したもので、政府としての公式見解ではないとしている。
白山西小学校 0.449が最高値だった
~常陽新聞2011.05.13~
取手、守谷で高い空間線量率
県測定、北茨城や高萩を上回る
東京電力の福島第1原子力発電所事故の影響から、県は12日、
これまで放射線空間線量率の測定を実施していなかった土浦やつくば市など
31市町村で11日に測定した結果を公表した。
それによると、いずれも健康に影響するレベルでは無かったが
取手市で0・236シーベルト、守谷市で0・226シーベルトと、
福島県境の北茨城、高萩市、大子町を上回った。
両市は千葉県境に位置するだけに、放射性物質の拡散の複雑さをうかがわせている。
県設置のモニタリングポストは県央、県北地域と鹿行地域の一部に設置されているだけで、
県南・県西地域には設置されていない。
このため、測定していない市町村の住民などから要望があり、今回の測定実施に至った。
測定は県環境放射線監視センター、原子力機構原子力科学研究所・
核燃料サイクル工学研究所・大洗研究開発センター、日本原子力発電東海発電所・
東海第2発電所の5機関により、5グループに分けて実施される。
7月まで月2回実施され、結果は測定日の翌日、
県のホームページで公表されることになっている。公表は今回が初めて。
県が可搬型モニタリングポストで測定している福島県境の同日の測定結果が最大で、
北茨城市が0・204、高萩市が0・151、大子町が0・112シーベルトで、
取手、守谷市ともこれを上回った。
1986年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故でも、
地形や風向きなどによって遠隔地でも放射線量が高い地域が多数でき、
「ホットスポット」と呼ばれた。
今回の福島第1原発事故でも計画的避難区域を設けるなど、
同心円では図れない複雑な拡散状況を見せている。
県内でもひたちなか市や鉾田市内に県境より高い線量率を示すモニタリングポストがあるが、
両市の数値は県民を驚かせそうだ。
県原子力安全対策課は「地形や風向きで、
放射性物質が集まりやすいのかもしれない」と推測している。