毎日新聞余録 余暇について考えたい。人によって… 20130715
余暇について考えたい。
人によっては生きがいともいえる時間帯が、なぜ余った暇なのか。
いっそのこと、「本暇」という言葉でとらえ直す方が、より効果的な時間活用につながるのではないか。
大阪ガスエネルギー・文化研究所の情報誌「CEL」が、そんな問題意識からいくつかの提案をしている。
まずは、カルチャーセンターで学んでみよう。
講座は、料理教室からミステリーの書き方まで従来型もあれば、2、3年かけて凝った製本技術を習得するコース、本格的な練習と年1回の舞台を経験させるバレエ講習といった余暇の範囲を超えたものもある。
NPO団体相手に本業で培った広報や事業戦略など専門的な知識やスキルを提供する活動もある。
通常のボランティアと違うのは、あくまでもプロとしての技芸を提供することだ。
自分の本業力を別の角度から知ることもできる。
家と職場以外の居場所を作りだし、そこで余暇を再編集する、とのアイデアはいかがか。
お気に入りのカフェでもいいし、自宅を一部開放してコミュニティーとして提供する「住み開き」という手法もある。
仕事と趣味の境界線が日々更新される。
さらには、限られた余暇時間をチーム力によってさらに豊かにできないか。
1案件・1人担当ではなく、2人がメインとサブとに分かれて情報を共有すれば時間は節減できる。
さて結論だ。
本暇的時間とは、社会的な貢献と自分がしたいことで得られる満足がバランスよく融合した状態である。
その意味で、最も大切なことは「自分がしたいことを見定める」ことであろう。
この夏休み、自らの本暇探しをしてみたい。