女の気持ち:私の終活 東京都江東区・井本邦子(無職・76歳)
毎日新聞 2013年10月23日 東京朝刊
先日、東京都立霊園の募集抽選会に参加してきた。結果は落選。そううまくいくわけはないと思いつつ、大変がっかりした。日常生活では今までとは違う変化を感じ始めていた頃、後期高齢者医療被保険者証が届いた。
75歳からの10年間をどのように生きるかを考えるのは「今でしょう」と、自分に言い聞かせた。
あちらこちらでいろんな終活方法を教えてくれる情報に出合うが、実際に開始してみると大変だと思った。
終活の第一は何といってもお金、次に安心確保の住み家、そして死後の葬儀から墓。子供のいない私たちには、この3点は欠かせない終活だ。さらに老いた妹や、おい、めいにかける迷惑を少なくすることである。
限られた蓄えをどのようにしておくのがよいか。信託銀行に相談したところ、残された人たちにわずかでも面倒をかけることを知った。子供がいないとなおさらということだ。
信託銀行のお世話で、遺言書は1年余りで完成した。同時進行で、安心の住み家を探している。これはなかなか大変そうだ。わずかな蓄えに手をつけないで、2人の年金と、マンションを売却したお金で安心を買うのは容易ではないというのが現状だ。
残された10年を心が充実して格好よく平凡に生きるためには、自分の意志と体でこの終活を成し遂げなくては。「誰がするの、あなたでしょう」と元気づけている私だ。
女の気持ち 私の終活 毎日新聞 20131023
先日、東京都立霊園の募集抽選会に参加してきた。結果は落選。そううまくいくわけはないと思いつつ、大変がっかりした。日常生活では今までとは違う変化を感じ始めていた頃、後期高齢者医療被保険者証が届いた。
75歳からの10年間をどのように生きるかを考えるのは「今でしょう」と、自分に言い聞かせた。
あちらこちらでいろんな終活方法を教えてくれる情報に出合うが、実際に開始してみると大変だと思った。
終活の第一は何といってもお金、次に安心確保の住み家、そして死後の葬儀から墓。子供のいない私たちには、この3点は欠かせない終活だ。さらに老いた妹や、おい、めいにかける迷惑を少なくすることである。
限られた蓄えをどのようにしておくのがよいか。信託銀行に相談したところ、残された人たちにわずかでも面倒をかけることを知った。子供がいないとなおさらということだ。
信託銀行のお世話で、遺言書は1年余りで完成した。同時進行で、安心の住み家を探している。これはなかなか大変そうだ。わずかな蓄えに手をつけないで、2人の年金と、マンションを売却したお金で安心を買うのは容易ではないというのが現状だ。
残された10年を心が充実して格好よく平凡に生きるためには、自分の意志と体でこの終活を成し遂げなくては。「誰がするの、あなたでしょう」と元気づけている私だ。