茨城新聞 20180725
茨城県内公立小中校エアコン 設置半数止まり
普通教室、17年4月現在 市町村対応に差
茨城県内の公立小中学校で、授業で最も多く使う普通教室のエアコン設置率は、2017年4月現在で50・8%にとどまっていることが県教委のまとめで分かった。14年の前回調査より27・3ポイント上がり、全国平均49・6%を上回るものの、夏場の気温や財源不足、教育方針の違いなどを背景に、市町村によって対応に“温度差”があるのが現状だ。全ての普通教室にエアコンを完備している自治体がある一方、全く設置が進んでいない自治体もある。
市町村別にみると、エアコンの設置率100%は石岡、龍ケ崎、常総、取手、牛久、潮来、稲敷、かすみがうら、行方、つくばみらい、大洗、大子、美浦、河内、境、利根の計16市町村で、全体の約3分の1を占めた。次いで、土浦市99・5%、守谷市92・7%、小美玉市92・0%と続く。
行方市と河内町は、理科室や音楽室など特別教室の設置率も100%を達成している。
一方で、設置率ゼロは結城、高萩、笠間、常陸大宮、城里、八千代の計6市町。ほかに常陸太田市(0・6%)、桜川市(4・0%)、鹿嶋市(4・3%)なども低い。
ただ、調査後に笠間市が全11小学校にエアコンを設置するなど、市民らの要望を受け設置へ乗り出したり統廃合に伴う校舎建て替えを機に設置が進んだ自治体もある。
いくつかの自治体でエアコン設置が進んでいない理由について、県教委は「市町村ごとの教育方針や財政的な事情があるのではないか」と分析する。
暑さが続く岐阜県多治見市では、数日前に3教室にエアコンがついた。
設置率は、1%にも満たないという。