茨城新聞 2020年9月19日(土)
国の天然記念物コウノトリが今月、取手市内に飛来し住民の話題となっている。飛来しているのは千葉県野田市が2016年に放鳥した雄の「きずな」。住民からの目撃情報が取手市に相次ぎ、15日午後5時ごろ、情報を受けて訪れた同市小文間の水田で確認された。
国内の野生コウノトリは1971年に野生の個体が一度絶滅。各地で保護、繁殖活動が続けられた。再び日本の空を舞うようにと、野田市が12年から飼育や放鳥をしている。取手市は足の標識で、きずなと確認した。
きずなは稲が刈り取られた水田で餌を探すなどした後に飛び立ったという。コウノトリは保護活動で徐々に生息数が増えており、市は「住民から見たという話が昨年ごろからある。餌目当てに、水辺環境が豊かな取手に飛来しているのでは」と話した。