取手市長賞決まる―東京芸大卒業制作 常陽新聞20110222
日本画と漆芸の2作品、24日から展示
取手市は21日、東京芸大生の卒業制作作品の中から優秀な作品に贈る今年度の「取手市長賞」について、美術学部絵画科4年、菅原道朝さん(25)の日本画「潮汐(ちょうせき)」と、同学部工芸科4年、高橋薫さん(23)の漆芸(しつげい)「巣箱」に決定したと発表した。24日から市内で展示される。
菅原さんの「潮汐」は、打ち寄せる波の一瞬を丁寧に描いた作品で、千葉県・九十九里浜の夜明けの海を何度も訪れて感じた、海のさまざまな表情や自然に対する畏敬の念を表現したという。丹念に絵の具を塗り重ねており、暗い色調だが重厚な画面からは、作者独自の精神性を感じさせると評価された。大きさは縦162㌢、横227㌢。菅原さんは利根町在住。
高橋さんの「巣箱」は、ハチの巣の形からひらめいた造形に、漆や金箔を塗った作品。作者自身を癒し、守ってくれ、生きる原動力となるわが家を、巣という形で表現した。家族と生活する中で積み重ねた思い出や感情を大事にしまっておきたいという思いが込められた作品という。大きさは縦92㌢、幅44㌢、奥行き32㌢。高橋さんは都内在住。
「潮汐」は同市寺田、市福祉会館1階ロビーに、「巣箱」は同、市役所本庁舎1階ロビーに、いずれも24日から展示される。
同賞は、同大取手キャンパスが1991年10月、同市小文間に開校したのに伴って設けられ、今年度で19回目。受賞者にはそれぞれ50万円が贈られ、作品は市に寄贈され市内の公共施設に展示される。