女の気持ち:夫婦の日 新潟市東区・堀節子(主婦・58歳)
毎日新聞 2013年05月22日 東京朝刊
春とは思えないぽかぽか陽気の日曜日、桜が満開となって街中をピンク色に染めてくれました。寒かった冬を忘れさせてくれるかのようです。
この地に住んで30年、夫が初めて公園のお花見に誘ってくれました。我が家にも樹齢30年の桜がありますが、2人でお花見に出かけるなんて思いもよらず驚きました。
終点のバス停から公園までリュックにビールとおつまみを入れた夫の横を黙って歩きます。人混みの苦手な夫が「向こうが空いている」「人が多すぎ!」とさっさと先に進みます。満開の桜を見る間もなく、やっと信濃川沿いの空き地に到着。
並んでビールを飲み、たわいもない少ない会話でしたが、珍しく夫の方から話しかけたり、笑ったりします。普段は私の話に相づちくらいしか返さない人ですが、桜の花が気持ちを柔らかくしたのでしょうか。
家族連れや友人同士の多い中で、私たち中年夫婦はほとんどいませんでしたが、かえってこんな時もあったんだわと思い出させてくれているようでした。
先週はケンカして3日間、口も利かずの生活だったので、こうしてお花見に来られるって夫婦って不思議です。
35年間、夫は大けがを2回し、私は脳内出血で生死をさまよいましたが、今は2人ともそれなりに健康です。まだこれから何年一緒にいられるか分かりませんが、桜を見た優しい気持ちで暮らせたらと思います。
私たちの結婚記念日は、4月22日「ヨイ フウフ」の日です。
女の気持ち:夫婦の日 毎日新聞 201305月22日 東京朝刊
春とは思えないぽかぽか陽気の日曜日、桜が満開となって街中をピンク色に染めてくれました。寒かった冬を忘れさせてくれるかのようです。
この地に住んで30年、夫が初めて公園のお花見に誘ってくれました。我が家にも樹齢30年の桜がありますが、2人でお花見に出かけるなんて思いもよらず驚きました。
終点のバス停から公園までリュックにビールとおつまみを入れた夫の横を黙って歩きます。人混みの苦手な夫が「向こうが空いている」「人が多すぎ!」とさっさと先に進みます。満開の桜を見る間もなく、やっと信濃川沿いの空き地に到着。
並んでビールを飲み、たわいもない少ない会話でしたが、珍しく夫の方から話しかけたり、笑ったりします。普段は私の話に相づちくらいしか返さない人ですが、桜の花が気持ちを柔らかくしたのでしょうか。
家族連れや友人同士の多い中で、私たち中年夫婦はほとんどいませんでしたが、かえってこんな時もあったんだわと思い出させてくれているようでした。
先週はケンカして3日間、口も利かずの生活だったので、こうしてお花見に来られるって夫婦って不思議です。
35年間、夫は大けがを2回し、私は脳内出血で生死をさまよいましたが、今は2人ともそれなりに健康です。まだこれから何年一緒にいられるか分かりませんが、桜を見た優しい気持ちで暮らせたらと思います。
私たちの結婚記念日は、4月22日「ヨイ フウフ」の日です。