Archive for 12月 5th, 2011

河合雅司 「街コン」が日本を救う? の記事より

月曜日, 12月 5th, 2011
河合雅司 「街コン」が日本を救う?
2011.12.5 07:23 (1/3ページ)
少子化が進む日本にとって、さらなる深刻なニュースが飛び込んできた。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「出生動向基本調査」によると、夫婦が生涯にもうける子供の平均人数(完結出生児数)が、平成22年に1・96人となり、初めて2人を下回ったというのだ。
これまで日本は「晩婚化が進んだとしても、結婚すれば子供が生まれる国」とされてきた。多くの専門家が、少子化対策の優先課題に結婚支援を挙げているのも、夫婦の子供数が2人を超えていることが根拠だ。調査結果は、こうした見方を覆しかねない。
完結出生児数は長年2・20人前後で推移してきた。前回調査(17年)で2・09人に下落し、今。
もう一つ、うれしくないニュースがある。「彼女がいない」という18~34歳の未婚男性が61・4%に及んだのだ。「彼氏がいない」女性も49・5%である。いずれも過去最高だ。しかも、その半数近くが「交際を望んでいない」と冷めている。夫婦の子供数だけでなく、結婚以前の男女の出会いにまで、大きな変化が表れ始めている。
こうした国民意識の変化を軽く見ると、後で取り返しのつかないことになる。背景には、若年雇用の不安定さや、出産や結婚に対する価値観が変わったことなど、さまざまな理由があると思われるが、「結婚したい」「子供が欲しい」と考えている人も少なくない。
政府は「結婚しても出産できない」「結婚したいけどできない」といった人に新たな事情が広がっていないか、早急に分析し対策を講じるべきだ。
しかし、民主党政権に多くを望めない。戦前の「産めよ殖やせよ」の出生奨励策へのアレルギーから、政府が出産や結婚に口出しすることに拒否感が強いためだ。子ども手当にみられるように、生まれてきた子供をいかに支援するかという政策が中心なのである。
一方で、こうした暗いニュースを吹き飛ばしそうなブームが民間から巻き起こっている。「街(まち)コン」だ。いまや全国各地で展開されている。
一つの街を舞台に、数百人規模の若い男女が飲み歩く超大型の合同コンパである。主催団体に1人何千円かを払って登録すると、指定されたお店を自由に行き来して、時間制限で飲食できる仕組みだ。
「街コン」の良いところは、単なる男女の出会いの場にとどまらないことだ。主催する飲食店側は若者への知名度が上がり、新規顧客を開拓できることになる。商店街に活気が出て、地域全体の活性化につながることも期待できる。
東日本大震災を経て、助け合うことの大切さが見直され、誰かとつながっていたいという気持ちも強まった。結婚意識が高まっているとの指摘もある。こうした機運を大きな流れにしていきたい。
「街コン」は、現在の日本が抱えるいくつもの難題を、一挙に解決する切り札になるかもしれない。(論説委員)
河合雅司 「街コン」が日本を救う? ~茨城新聞20111205~
少子化が進む日本にとって、さらなる深刻なニュースが飛び込んできた。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「出生動向基本調査」によると、夫婦が生涯にもうける子供の平均人数(完結出生児数)が、平成22年に1・96人となり、初めて2人を下回ったというのだ。
これまで日本は「晩婚化が進んだとしても、結婚すれば子供が生まれる国」とされてきた。多くの専門家が、少子化対策の優先課題に結婚支援を挙げているのも、夫婦の子供数が2人を超えていることが根拠だ。調査結果は、こうした見方を覆しかねない。
完結出生児数は長年2・20人前後で推移してきた。前回調査(17年)で2・09人に下落し、今。
もう一つ、うれしくないニュースがある。「彼女がいない」という18~34歳の未婚男性が61・4%に及んだのだ。「彼氏がいない」女性も49・5%である。いずれも過去最高だ。しかも、その半数近くが「交際を望んでいない」と冷めている。夫婦の子供数だけでなく、結婚以前の男女の出会いにまで、大きな変化が表れ始めている。
こうした国民意識の変化を軽く見ると、後で取り返しのつかないことになる。背景には、若年雇用の不安定さや、出産や結婚に対する価値観が変わったことなど、さまざまな理由があると思われるが、「結婚したい」「子供が欲しい」と考えている人も少なくない。
政府は「結婚しても出産できない」「結婚したいけどできない」といった人に新たな事情が広がっていないか、早急に分析し対策を講じるべきだ。
しかし、民主党政権に多くを望めない。戦前の「産めよ殖やせよ」の出生奨励策へのアレルギーから、政府が出産や結婚に口出しすることに拒否感が強いためだ。子ども手当にみられるように、生まれてきた子供をいかに支援するかという政策が中心なのである。
一方で、こうした暗いニュースを吹き飛ばしそうなブームが民間から巻き起こっている。「街(まち)コン」だ。いまや全国各地で展開されている。
一つの街を舞台に、数百人規模の若い男女が飲み歩く超大型の合同コンパである。主催団体に1人何千円かを払って登録すると、指定されたお店を自由に行き来して、時間制限で飲食できる仕組みだ。
「街コン」の良いところは、単なる男女の出会いの場にとどまらないことだ。主催する飲食店側は若者への知名度が上がり、新規顧客を開拓できることになる。商店街に活気が出て、地域全体の活性化につながることも期待できる。
東日本大震災を経て、助け合うことの大切さが見直され、誰かとつながっていたいという気持ちも強まった。結婚意識が高まっているとの指摘もある。こうした機運を大きな流れにしていきたい。
「街コン」は、現在の日本が抱えるいくつもの難題を、一挙に解決する切り札になるかもしれない。(論説委員)

大津漁港で漁船2隻にイルミネーションが灯る

月曜日, 12月 5th, 2011

茨城新聞20111205

i-20111205

北茨城市の大津漁港できのう夜、漁船2隻にイルミネーションがともされた=写真。23〜25日のクリスマスイベント「Bateaux Noël(バトゥ・ノエル)」の開催に向けた試験点灯。暗闇に光り輝く漁船が幻想的な夜景を演出した。
▼稔勝丸船主の鈴木稔さん(59)らが福島第1原発事故で休漁中の小型漁船にLED電球約3千個を飾り付けた。「震災で傷ついた人たちに喜んでもらいたい」と鈴木さん。
▼同イベントは「光」「音」「食」をテーマに、本番では7隻の漁船イルミネーションのほか、ジャズ演奏会やホットワインの販売など、多彩な催しが予定されている。

北茨城市の大津漁港できのう夜、漁船2隻にイルミネーションがともされた。

23〜25日のクリスマスイベント「Bateaux Noël(バトゥ・ノエル)」の開催に向けた試験点灯。

暗闇に光り輝く漁船が幻想的な夜景を演出した。

稔勝丸船主の鈴木稔さん(59)らが福島第1原発事故で休漁中の小型漁船に

LED電球約3千個を飾り付けた。

「震災で傷ついた人たちに喜んでもらいたい」と鈴木さん。

同イベントは「光」「音」「食」をテーマに、本番では7隻の漁船イルミネーションのほか、

ジャズ演奏会やホットワインの販売など、多彩な催しが予定されている。

薬用乱用防止講演会を行いました 取手ライオンズクラブ

月曜日, 12月 5th, 2011

茨城新聞20111205

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子どもが主役の街づくり ピノキオプロジェクト 千葉・柏、柏の葉地区

月曜日, 12月 5th, 2011
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ピノキオプロジェクト:街づくり、子どもが主役--千葉・柏、柏の葉地区
◇地元の店で職業体験 「失敗OK」暮らしやすい街に
地元の商店などが子どもたちを受け入れ、街ぐるみで職業体験を行う「ピノキオプロジェクト」が今秋、千葉県柏市のつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅周辺で催された。「子どもは街で育てよう!」をスローガンにしたこのイベントは、子どもの存在を通して街を発展させようという試みでもある。【田村佳子】
「おいしいクレープを食べに来てくださーい!」「地元で取れた野菜いかがですか」--。秋晴れの駅前に、そろいのビブ(ベスト)とピノキオの顔を模した帽子をかぶった子どもの声が響いた。子どもたちの“就職先”は、近くの商店や農家が駅前広場に出店して月1回開かれる「マルシェ(市場)」と、駅に隣接するショッピングセンターだ。
5回目となる今年は57店が協力、子どもたちは300円払って希望の仕事を申し込み、1回1時間の職業体験に参加する。仕事が終わると、期間内だけ有効の地域通貨が300円分支払われ、協力店舗で好きなものを買える。イベントは地元に根付き、受け付け開始の数時間前から参加希望者の列ができた。
近くに住む田口拓弥さん(10)は昨年、マンションのモデルルームの受付をしたので、今回はお店で働きたいと菓子の露店で接客した。初めて会った子ども2人と呼び込みの言葉を考え、「柏で1軒だけの甘納豆ですよ」と大声を張り上げた。路上で試食も促した。「緊張したけど、自分が呼び込んだ客が買ってくれた時は『やった』と思った」とにっこり。母親(39)は「恥ずかしがり屋なので人と接する機会にしたいと考えた。楽しそうでした」と目を細めた。
鼻が伸びたりロバになりかけたりするピノキオのように、失敗の余地があるのがプログラムの魅力だ。
過去には仕事でズルをした子もいて、子ども同士のけんかに発展して泣く子が出たことも。花屋で働いたものの、セロハンで上手に花を巻けない女の子もいた。だが、けんかした子どもたちは自分たちで仲直りし、花屋で失敗した子はその晩、家で練習し、翌日も同じ店で働いて店主を感心させたという。誰でも同じ満足が得られるテーマパークと違い、試練を乗り越える充実感がある。
初めて協力した花の井製菓の渡邉美佐子さんは「声も出せない子もいて、一緒に店頭で声出しの練習をした。社会経験の少ない子に大人と話せる能力がつけばいい」と「街の子育て」に期待を寄せる。
プロジェクトを主導するのは「柏の葉アーバンデザインセンター」。柏市や近隣にキャンパスのある東京大と千葉大、デベロッパーなどで作る産官学の街づくり組織だ。小山田裕彦ディレクターは「新しい街にコミュニティーを作り、住み続けたい場所にする」ための企画だという。
柏の葉地区はゴルフ場と米軍基地の跡地を開発した新興住宅地だ。人口2・6万人を予定し、高層マンション群の建設が進む。職業体験のほかにも、街ぐるみの養蜂や大規模ピクニックなどユニークな活動を展開する。
「街の広場に彫刻などのアートを置く時代は終わった。型破りな考えを持つ人の発想を街づくりに取り入れるのが街のアート活動」と小山田さん。活動を通し、住民がつながることを目指している。ピノキオプロジェクトは、企業や自治体が審査する08年のキッズデザイン賞で金賞を受けた。
大規模開発・再開発が行われる地域では近年、デベロッパーなどがサークル活動やイベントの開催を支援し、コミュニティー形成に取り組む例が珍しくない。近所付き合いを敬遠する住民も少なくない中で、住民同士の良好な関係や治安の維持に必要と考えるからだ。
実行委に加わる企画運営会社「ワコールアートセンター」社の松田朋春チーフプランナーは、子どもの存在は重要だと指摘する。「子どもは失敗の塊。大人は地域から子どもを排除し、失敗を恐れるようになっていないか。失敗を許容できなければ街は暮らしにくくなる。子どもを媒介に街の寛容さを広げたい」。新規の活動を面倒がる大人も、子どもがかかわると協力し、やがて笑顔になるのを経験してきた。「ピノキオ」も5年前は協力を申し出た店はなかったが、年を追うごとに増えてきたという。
マルシェでは「子どもがいると活気が出る」と好評だ。初参加の古着店kapre(カプレ)の大小原啓太さんは「子どもってやりたいことが無限なんだと改めて感じた。今後も続けてほしい」と振り返っていた。い。

ピノキオプロジェクト:街づくり、子どもが主役--千葉・柏、柏の葉地区 ~毎日新聞20111204~

◇地元の店で職業体験 「失敗OK」暮らしやすい街に

地元の商店などが子どもたちを受け入れ、街ぐるみで職業体験を行う「ピノキオプロジェクト」が今秋、千葉県柏市のつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅周辺で催された。「子どもは街で育てよう!」をスローガンにしたこのイベントは、子どもの存在を通して街を発展させようという試みでもある。

「おいしいクレープを食べに来てくださーい!」「地元で取れた野菜いかがですか」--。秋晴れの駅前に、そろいのビブ(ベスト)とピノキオの顔を模した帽子をかぶった子どもの声が響いた。子どもたちの“就職先”は、近くの商店や農家が駅前広場に出店して月1回開かれる「マルシェ(市場)」と、駅に隣接するショッピングセンターだ。

5回目となる今年は57店が協力、子どもたちは300円払って希望の仕事を申し込み、1回1時間の職業体験に参加する。仕事が終わると、期間内だけ有効の地域通貨が300円分支払われ、協力店舗で好きなものを買える。イベントは地元に根付き、受け付け開始の数時間前から参加希望者の列ができた。

近くに住む田口拓弥さん(10)は昨年、マンションのモデルルームの受付をしたので、今回はお店で働きたいと菓子の露店で接客した。初めて会った子ども2人と呼び込みの言葉を考え、「柏で1軒だけの甘納豆ですよ」と大声を張り上げた。路上で試食も促した。「緊張したけど、自分が呼び込んだ客が買ってくれた時は『やった』と思った」とにっこり。母親(39)は「恥ずかしがり屋なので人と接する機会にしたいと考えた。楽しそうでした」と目を細めた。

鼻が伸びたりロバになりかけたりするピノキオのように、失敗の余地があるのがプログラムの魅力だ。

過去には仕事でズルをした子もいて、子ども同士のけんかに発展して泣く子が出たことも。花屋で働いたものの、セロハンで上手に花を巻けない女の子もいた。だが、けんかした子どもたちは自分たちで仲直りし、花屋で失敗した子はその晩、家で練習し、翌日も同じ店で働いて店主を感心させたという。誰でも同じ満足が得られるテーマパークと違い、試練を乗り越える充実感がある。

初めて協力した花の井製菓の渡邉美佐子さんは「声も出せない子もいて、一緒に店頭で声出しの練習をした。社会経験の少ない子に大人と話せる能力がつけばいい」と「街の子育て」に期待を寄せる。

プロジェクトを主導するのは「柏の葉アーバンデザインセンター」。柏市や近隣にキャンパスのある東京大と千葉大、デベロッパーなどで作る産官学の街づくり組織だ。小山田裕彦ディレクターは「新しい街にコミュニティーを作り、住み続けたい場所にする」ための企画だという。

柏の葉地区はゴルフ場と米軍基地の跡地を開発した新興住宅地だ。人口2・6万人を予定し、高層マンション群の建設が進む。職業体験のほかにも、街ぐるみの養蜂や大規模ピクニックなどユニークな活動を展開する。

街の広場に彫刻などのアートを置く時代は終わった。型破りな考えを持つ人の発想を街づくりに取り入れるのが街のアート活動」と小山田さん。活動を通し、住民がつながることを目指している。ピノキオプロジェクトは、企業や自治体が審査する08年のキッズデザイン賞で金賞を受けた。

大規模開発・再開発が行われる地域では近年、デベロッパーなどがサークル活動やイベントの開催を支援し、コミュニティー形成に取り組む例が珍しくない。近所付き合いを敬遠する住民も少なくない中で、住民同士の良好な関係や治安の維持に必要と考えるからだ。

実行委に加わる企画運営会社「ワコールアートセンター」社の松田朋春チーフプランナーは、子どもの存在は重要だと指摘する。「子どもは失敗の塊。大人は地域から子どもを排除し、失敗を恐れるようになっていないか。失敗を許容できなければ街は暮らしにくくなる。子どもを媒介に街の寛容さを広げたい」。新規の活動を面倒がる大人も、子どもがかかわると協力し、やがて笑顔になるのを経験してきた。「ピノキオ」も5年前は協力を申し出た店はなかったが、年を追うごとに増えてきたという。

マルシェでは「子どもがいると活気が出る」と好評だ。初参加の古着店kapre(カプレ)の大小原啓太さんは「子どもってやりたいことが無限なんだと改めて感じた。今後も続けてほしい」と振り返っていた。