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女の気持ち 被災地への旅

火曜日, 5月 15th, 2012
ゴールデンウイークは、主人と一緒に、東日本大震災の被災地の宮城県南三陸町へ1泊2日で行ってきた。
ボランティア活動や多額の寄付はできないので、せめて現地に足を運ぶだけでもと思い、車で早朝に出発して、昼過ぎに到着した。
海岸沿いの国道を走ると、がれきの山また山。津波にさらわれた荒れ地の中に点在する、壊れたビルの残骸とさびた車。「復興」とは程遠い現実を前に暗い気持ちになり、胸が痛んだ。
宿泊したホテルが企画した「震災語り部ツアー」に参加し、骨組みだけが残った防災会館や、志津川小学校の跡地を回りながら被災者のエピソードを聞いた時は、目頭が熱くなってしまった。
話を聞くのは正直つらい経験だったが、震災から1年を超えた今こそ、この「語り部ツアー」は必要だと思った。
被災地から遠く離れた私たちの生活は、ほぼ通常に戻りつつある。
ともすると、被災地の記憶や被災者への共感が薄れてしまうが、原発の問題も含め、我々の便利な日常生活は、一部の地域の犠牲の上に成り立っているのだと痛感した。
こんな状況の中でも、ホテルや商店、ガソリンスタンドなどで出会った被災地の人は、誰もが明るい笑顔で接してくれたのは救いだった。
静かなほほ笑みと謙虚な態度に、東北人の美しい魂を見た気がする。

女の気持ち 被災地への旅 ~毎日新聞20120510~

ゴールデンウイークは、主人と一緒に、東日本大震災の被災地の宮城県南三陸町へ1泊2日で行ってきた。

ボランティア活動や多額の寄付はできないので、せめて現地に足を運ぶだけでもと思い、車で早朝に出発して、昼過ぎに到着した。

海岸沿いの国道を走ると、がれきの山また山。津波にさらわれた荒れ地の中に点在する、壊れたビルの残骸とさびた車。「復興」とは程遠い現実を前に暗い気持ちになり、胸が痛んだ。

宿泊したホテルが企画した「震災語り部ツアー」に参加し、骨組みだけが残った防災会館や、志津川小学校の跡地を回りながら被災者のエピソードを聞いた時は、目頭が熱くなってしまった。

話を聞くのは正直つらい経験だったが、震災から1年を超えた今こそ、この「語り部ツアー」は必要だと思った。

被災地から遠く離れた私たちの生活は、ほぼ通常に戻りつつある。

ともすると、被災地の記憶や被災者への共感が薄れてしまうが、原発の問題も含め、我々の便利な日常生活は、一部の地域の犠牲の上に成り立っているのだと痛感した。

こんな状況の中でも、ホテルや商店、ガソリンスタンドなどで出会った被災地の人は、誰もが明るい笑顔で接してくれたのは救いだった。

静かなほほ笑みと謙虚な態度に、東北人の美しい魂を見た気がする。